449/628 GEC01342 WAKEI      オランダ通信58 過激派の爆破事件
(19) 93/07/06 05:19

オランダ通信58 過激派の爆破事件
オランダでは起きないと思っていた事件が7月1日に起きました。RARAという名前からすると左翼過激派が、日本でいうと厚生省のような省庁の建物に時限爆弾をしかけて、それが、実際に爆発したのです。爆発した周辺は建物が目茶苦茶になり、暫くは使用できないだろうということです。
 大体オランダには、過激派というのは、右翼にも左翼にもいないと考えていました。そして、多くの人も実際にそう言ってました。
 「オランダ人というのは、寛容の精神が非常に強いので、自分の意見と合わなくても、一応はその意見としての存在を認めるから、他の意見をもった人々に対して、暴力で圧力を加えることはしないし、また、そういう組織的な行為は苦手なのだ、とよく言われたものです。しかし、今回の事件は、オランダ人にも、またオランダに住む外国人にも、大きなショックをあたえました。

 一応のきっかけは、例の失業問題です。オランダに定住する外国人、特にマイノリティの失業率は、実に40%にもなるのです。これは、オランダ社会としては、二重の問題になります。一つは、もちろん当人たちの生活不安です。しかし、かれらも一応合法的なオランダ在住者であれば、失業保険の対象ですから、生活が直ぐに破綻するわけではなく、むしろ、通常の納税者が、どうして我々が彼らの生活の面倒を、高い税金を払ってみなければならないのか、という意味での不安が広がることです。

 政府はこの事態を打開するために、外国人の雇用を促進するために法案を準備しました。しかし、RARAはこの法案が不満のようで、彼らの主張によれば、外国人に対する差別だということになるようです。

 実は、別の機会に書くつもりでいたのですが、オランダの新聞というのは、資料をほとんど載せないのです。ほとんどが、署名入りのコメント記事になっています。従って、ある法案の論評は読むことができるのですが、その肝心の法案そのものは、日本の新聞のように載せないのです。それで、オランダ人はほとんど、内容を知らないで、誰かの論評を便りに議論をすることになっているです。だからこそヨ−ロッパの新聞は、傾向がはっきりしていて、自分の好みの新聞を読まないと、議論に参加できないことになるわけです。これは、ヨ−ロッパの知性の非常に大きな欠点であると私は、確信をもっていえます。何人かのオランダ人に言ってみましたが、明確な反論をする人は居ませんでした。皆、論議していても、実は内容は自分では読んだことがないのです。

 というわけで、実は私も、この外国人雇用促進のための法案の内容を知りません。とにかく促進するための法案だ、という以上のことは、現在の私のオランダ語力ではわかりません。だから、RARAが言うように、それは実際には、差別のための法案なのかも知れないし、むしろRARAこそが、外国人差別反対を唱えながら、テロをすることによって、外国人への敵愾心の醸成を狙っているのかも知れない、という可能性もあります。

7月3日のNRCによると、まずCDAは、35人以上を雇用している雇用主は、その中で、外国人がどれだけいるかを、労働局に報告しなければならない、という主張です。 最近の研究によると、(新聞の報道)外国人差別は言葉としてはタブ−だが、実際には、企業は若く・健康なオランダ出身の男子を雇用することを好む、という明確な傾向があることを示しているという。
 今回は、簡単な紹介。また詳しいことが分かったら、紹介します。