448/628 GEC01342 WAKEI オランダ通信57 小さい学校再
(19) 93/07/06 05:17 コメント数:1
オランダ通信57 小さい学校再
445へのコメント
坂本さん、実に久しぶりですね。実家に戻っておりまして、というのは、実家からの通信なのかな。
小さな学校に関する問題ですが、小さいといっても、どのくらいの規模なのですか。
オランダでは、公立学校に関しては、いくつかの原則がありますね。繰り返しも多いですが、一つは通学範囲の問題です。それから、規模の問題です。
厳密には、4キロ以内に学校が「複数」ある、つまり、少なくとも2つはある、というのが、ひとつの基準です。しかし、4キロというのは、小学生には遠すぎますから、実際上は、2キロで設定しているようです。現在オランダでは、この基準に合わない地域は10%位です。つまり、大体どこに住んでいても、2キロ以内に2つ以上の学校があるということです。(4キロにすると、100%)
複数であることに注意してください。これは、「学校を選択できる」ということです。この範囲では、どんなに学校が小さくても、設立・維持しなければなりません。
3つ以上あるときには、学校規模が問題になります。いくつかの資料によって多少違うので、厳密な数字は分かりませんが、一応の目安は小学校で160名だそうです。しかし、それを下がると直ぐに廃止というのかはわかりません。多少地域的特性を考慮するでしょう。
100名以下なら確実に廃校です。公立なら。私立なら公費補助の廃止です。自前でやるか、廃校かの選択を経営者がしなければなりません。
160名というのですから、日本の過疎地域の小学校からすると、結構大きいのです。しかし、日本の過疎からすれば、第一の原則が意味をもつでしょう。
もう一つ忘れてはならないのは、オランダでは子どもの通学は、ほとんどの場合親が同伴することです。比較的近く、自転車でいく場合は、子どもだけで行きますが、そうでないときには、親が付いていくのです。私も、これを一年間実施して、一応明日学年末の修了の日なのです。(今は7月1日、いつアップできるか分からないので)
だから4キロという数字もでてきます。オランダは文字通り自転車社会ですから、自転車や自動車を利用して通学する人が、多数を占めます。従って遠くても別に大したことはないし、そのように社会ができていますから、帰ってからの遊びも、学校とは関係なく近所の子どもとするようになっています。
しかし、日本だと、学校は地域的なものだから、バスで通うことになると、やはり大変でしょうね。
それから重要なのは、土地政策です。日本の過疎と過密の問題は、政治のどうしようもない程の恣意的な土地政策によるわけですね。しかし、この点はオランダは、全く根本的に違います。ここまで徹底すると、日本人としては逆に疑問を感じてしまう程、徹底して土地の私的利用を認めていません。あるオランダに住む日本人が書いた本に出てきますが、オランダでは、勝手に家の外観を変えるような改造をしてはいけないのです。純粋に内装ならいいのですが、ガレ−ジを作り替えたりしたら、大変な問題になるそうです。
周知のように、オランダは埋め立て地が国土の40%を占めていて、都市はほとんどそうした地域にあります。そして、これから新しく家を建てるような土地は、まず例外なく埋め立て地でしょう。埋め立てというのは、本当に大変な国家的事業ですから、個人的にそういう家を建てたり、企業が営利的に勝手に建てたりできないようになっているのです。確かにあちこちで、新しい住宅を建設していますが、移民で人口が増えたりする、というような事態に対処するためであって、農村から都市へ大規模な人口移動を実現し、農業を潰して工業社会に改変する、などといった政策ではないわけです。
従って、それに伴う大規模な人口移動は生じないような住宅建設で、ある程度予測が付くので、学校の設立も、それほど計画が狂うことはないのです。(もっとも、宗派の問題がからんで、住民の希望とずれる、というような事態はあり、それは前に紹介したと思います。)
この土地政策との関連で、見ていくことがとても重要だと思いますね。日本の過疎の問題もつまるところ、全国の土地政策を抜きに考えられないし。
まあ、ここまでは坂本さんたちの主張を支持するとして、ただ、よく分からないところもあるので、疑問も書いてみます。
日本の過疎の学校で、よく10程度などという学校が出てきますが、あれは、やはり教育的には問題だと思うのですね。率直に言えば、私がそういう地域に住んでいたら、なんとか引っ越しして、もっと大きな学校に子どもを入れたいと思うでしょう。小さい学校が私は好きだけれども、10名などというのは、小さすぎる。
問題は子どもが10人くらいしかいないような地域にしてしまった、地域政策の問題でしょう。だから基本的には、その地域にもっときちんとした産業を確立して、以前のように多くの人が住める状態にする。
しかし、それ以前に、実際にいる子どもにとって、10名の学校が本当にいいのか、というと、「いいのだ」と言い切れますか。(坂本さんの実家の学校が10名位かどうかわからないけど)
そこの人が「大きいこと」と「競争」を同一視するからと言って、必ずしも大きいことの意味を否定はできないと思うけど。どの程度を大きいというかも問題ですが。
私は少なくとも、複式学級にしないですむ程度には大きい方がいい、とは言えると思うのです。子どものバス通学が問題なら、学校だけでなく、団地も作って親も移住できるようにするとか、色々な選択肢を検討して、尚以前のままの小さい学校がいい、という、わかりやすい説明はできませんか。
この問題に関する坂本さんの以前の文章は、討論会や講演の紹介が主だったので、坂本さん自身の文章によるまとめを一度読みたいのだけれども。
私は8月の末日位に日本に帰ると思います。飛行機があれば。なければもう少し世界を彷徨いつつ、9月か。
日本からのアクセスは、だからいずれにせよ9月です。当分はオランダからですね。