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(19) 93/06/03 05:14

オランダ通信49 再びドイツの騒動

昨年メルレンでトルコ人が殺されて騒動になりましたが、今回また、ゾリンゲンという町で5人が放火で殺されるという事件がありました。事件は土曜日の夜に起きたもので、ヨ−ロッパでは日曜日の新聞はなく、ニュ−スを見なかったので、月曜日になってから知りました。今回もネオ・ナチの仕業と考えられ、15歳の少年が逮捕されたのですが、やり方は前回よりも、もっと酷いようです。トルコ人の住む家に、石油をかけて(まわりにもかけて、逃げられないようにし)火をつけたそうです。

 トルコ人にはかなり絶望的な感情が広がっているように、報道されています。また例によって新聞を沢山買い込み、読んでいますが、今回の対応は、前回とは違ってきているように思われます。

 今回も抗議運動がかなり広範に行われましたが、抗議運動自体が、かなり激しいものになり、警官隊と衝突するに至りました。そして、逮捕者も出ました。

 ドイツの新聞は否定的に書いていますが、(フランクフルト・アルゲマイネ)トルコの過激派が組織されはじめ、武装しつつある、という報道があります。ネオナチとトルコ過激派の衝突という事態も懸念されているし、またネオナチの襲撃に備えて、トルコ人の店は、板を打ちつけて店を守る体制に入っていることが、テレビで紹介されていました。

 「世界WELT」という新聞は、ドイツ経済の中に、どういう外国人がいるか、という統計を載せ、政府の対応なども分析していますが、これも、ネオナチとトルコ人の衝突という事態に対して、警察がドイツを守らなければならないのか、というような書き方になっています。

 イギリスのタイムスは、かなり小さい扱いで、ドイツ政府はもっとトルコ人のために、やれることがあったのではないか、というドイツ政府批判的な記事を載せています。

 フランスのル・モンドは、これもかなり小さい記事で、(月曜の新聞を買い忘れたので、火曜のものです。月曜日は多分大きく取り上げたと思います。)荒れてしまった抗議行動の模様を伝えているのですが、一面では、フランスはもうこれまでのような「移民国家」ではなくなるべきだ、という答申の紹介にあてています。

 だから、今回の事件は、他の国家にすれば、移民に対する慎重姿勢を喚起するものになっているようです。いまECの担当者がデンマ−クに集まっていろいろと協議をしているのですが、移民問題も、その重要なテ−マの一つになっています。(今回の事件とは関係ありませんが、旧ユ−ゴでの政策的な強姦の被害者に対しては、移民を緩和しよう、という論議になっていることかが、紹介されていました。)

 それで、今回もやはり、もっとも大きく、またセンセ−ショナルに取り上げているのは、オランダの新聞です。オランダのドイツへの批判意識と、オランダにもトルコ人がたくさんいるという事情があるので、見過ごすことのできない事件であることは、今でも同じです。

 ある新聞では、トルコ人を登場させ、いかにドイツのトルコ人は悲惨で、オランダではいいか、ということを強調させていました。
 確かに、表面的にはトルコ人に対する露骨な差別はありませんが、しかし、オランダ人がトルコ人に対して、全く平等意識をもっているわけではありません。

 ただ、オランダではかなり容易に、オランダ人として国籍を取得することができる、あるいはそこまでいかなくても、パスポ−トを発行してくれる、また、外国人のままでも、地方自治体の選挙権がある、というような、ドイツにはない「寛容な政策」があるので、ドイツのように、排斥運動や、それに対抗する逆の過激な運動もないのです。これは確かにそうです。

 今騒動が進行中なので、また、報告します。