433/628 GEC01342 WAKEI オランダ通信47 進学について
(19) 93/06/01 07:13 コメント数:1
オランダ通信47 進学について
424へのコメントです。
CITOテストが11プラステストに通ずるものがあるか、ということですが、それを参考にして、分岐させる、という点では同じでしょう。しかし、大きな相違もあります。 まず、11プラステストは、その正確な運用は知らないのですが、私の知る限りでは、かなり拘束力があったと思います。しかし、CITOテストは単なる参考であって、また420のログにも書いたように、一番重視されるのは、小学校の先生の評価、勧めなのです。そして、最終的に決めるのは、親の意思なので、拘束力は、それほど強くないと、私には思われます。
オランダの学校には、親や子どもの選択の自由があるわけですが、それは中学進学でも例外ではないのです。とにかく、成績が悪くても、一応は、強く希望すれば、大学進学用の中学に行けます。
しかし、選択の自由はそこまでで、一端入った後、成績が悪くて、この学校で学ばせることはできないと、その中学が判断すれば、もう幾ら希望しても、在学することはできません。もっと低い学校に移らなければなりません。その判定には、従わざるを得ないのです。
もうひとつ違うことは、当時のイギリスでは、類型の異なる学校間の移動は、とても難しかったと思うのですが、オランダでは、ごくごく普通の現象だということです。レベルの高い中学から、低い中学への移動は、極めて多く、またその逆も少なくないのです。大学生に聞いても、3番目の中学に入った、という学生もいました。レベルを上にするためには、どうしても1年の無駄が出てくるのですが、大体年限がかかる国ですから、そういうことはそれほど気にしません。
大学入試についてのお尋ねですが、これはそもそも、オランダには、「入学試験」なるものがないわけです。少なくとも私がこれまで知りえた知識では、「入学試験」というものは、あらゆる学校段階で、まったく存在しません。ヨ−ロッパは日本と異なって、入学試験の少ない地域ですが、例えばフランスでは、グランゼコ−ルには厳しい入学試験があります。
しかし、オランダには全くないと思います。つまり、オランダでは、進学は常にそれまで学んでいた学校の判断、卒業資格によってきまるのです。いかなる学校類型でも、そこに入るためには、どのような卒業用件が必要であるか、が明記されていて、それを満たせば、入学することができます。入学を認める学校が、独自の試験はしないのです。
その代わり、どんどん落第・退学させます。
オランダの教師に、私が「つまり、教育の自由、進学の自由のために、大きな経済的負担をしているということですね」と聞くと、そうだ、負担のない自由はないんだ、などと言ってました。
それで、大学の入学要件は何か、というと、要するに大学に進学を認められている中学(6年生のVWOという学校)の卒業試験に合格することです。その中学では、基本的に古典・現代文化・自然科学の3つのコ−スになっていて、それぞれ卒業試験合格に必要な科目と科目数を決めてあり、(大体7科目)それに合格すれば、大体どこの大学でも入学することができます。(医学部だけが、試験の点数を要求するのは、ドイツと同じで、医学部に入学するのは、他よりは困難です)その科目は中学で学ぶ通常の科目であって、適性検査に類するものではありません。
因みに、オランダの中学には、DECAANという進路相談のための教師がかならず置かれることになっています。日本でいう進学担当のようなものですが、単なる役割の分担ではなく、とても重要な担当で、もちろん職業や適性に関する専門的な知識が必要です。彼らが成績などを参考にして、いろいろとアドバイスします。
知能テストですが、日本のように、全員を対象として「知能テスト」を実施することはないそうです。私は専門ではないので、あまり話に出てきませんが、オランダでは障害児の教育は、かなり明確に普通児の学校とは区別されています。日本のような「共同教育」とか、同じ校舎・学校内に障害児用の学級がある、ということはありません。そして、かなり複雑に、障害に応じて、コ−スそのものも分かれています。
日本のように小学校入学前に、知能テストを全員に行い、それでIQの低い生徒を「特殊学級」なるところに入れる、ということはありません。とにかく、全員、小学校に入るわけです。(4歳か5歳、どちらで入れるかは、親の自由)もちろん、その時点で、明確な障害があれば、その時点から、特別の学校に入れますが。
それで、どうもこの子どもは、知能的な遅れがあるのではないか、とか、障害があるのではないか、と教師が判断すると、いろいろな調査をする、その一環として、知能テストを実施することがある、ということです。その場合、結果を親と心理学専門かと学校関係者(普通と特別)が集まって、率直に実情を出して、どの学校が、その子どもにとって、最も発達上好ましいかを論議するそうです。
この場合以外は、まず知能テストをやらない、ということです。だから、まずは順調に来た大学生は、知能テストをしていないはずです。
「ペッピング」というのは、私の長女の担任の教師のことです。一応、連載ということになっているので、前の方に出てくるのですが、皆さん、全部読んでいるわけではないので、ここだけ読むと、確かに「なんじゃい?」ということになりますね。
近々報告しますが、先日、学校をあげての「遠足」があったのですが、実にペッピングは「彼女」を連れてきたそうです。親も希望すれば、付いていけるのですが、それで一緒に行った私の家内は、これにはどぎもを抜かれたそうです。(ペッピングのことは、教師に関する通信で、紹介しています。)
努力に関しては、いろいろと論議が出ているので、それらを踏まえて、別に書きます。