410/628 GEC01342 WAKEI      オランダ通信41 まとめて解答
(19) 93/05/13 05:14

オランダ通信41 まとめて返答
 真野さん、こんにちは、はじめてかどうかわかりませんが。
 ところで、真野さんの反応に、正直言って、多少当惑しています。揶揄されているのか、とも思ったり、(別に揶揄されても全く平気なので、気にしていませんが)。
 ただ、多少誤解もあるようなので、取り合えず、誤解は訂正させてください。

 平坦な国で、「鑑賞的」にはつまらない、と書きましたが、住んでいてつまらない国では決してありません。平坦なのは、生活的には非常に便利です。坂がないので、自転車が普及しており、エネルギ−の節約や健康にもよい。政治的にはとても変わったことがおこるので、「つまらない」ことは全くありません。こんな「おもしろい」国は、あまりないと思いますよ。
 東京の機能分割は、「できる」より「しなければどうしようもない」ことがらではないでしょうか。

 宗教のことは、とても難しいので、別に書きたいと思いますが、基本的にはオランダではキリスト教だけが保護・援助されているのではなく、教育的にはすべての主要な宗教が援助されています。

 言葉と民族の関係は、実に大きな問題だと思いますが、真野さんがここで書かれたことは、必ずしも正しくありません。
 アメリカ人は皆英語をしゃべるわけではなく、むしろ、現在では、非常に大きな割合の英語を喋らない人々がいて、英語外の言語で教育を受けられる権利、なるものが問題になっているわけです。またその関係で、バイリンガリズム(日本でいうのとは、多少ことなる文脈の問題があります。)が大きな問題になるわけです。

 また公用語が二つ以上ある国家もあります。(スイス、オランダのとなりのベルギ−)ベルギ−はしたがって、民族ではないのだ、という言い方も可能ですが、少なくとも現在では国家的アイデンティティはもっているようで、多くの言語と民族が錯綜する「多民族国家」とは言えないでしょう。

 CONTIさんですが、エネルギ−資源の節約問題に関しては、ちょっとオランダに関する限り違うかな、という感じなので、その点だけ、ちょっとコメントしておきます。

 日本はずっとオランダよりも高度に発達した工業国家ですから、日本のエネルギ−使用は激しいと私は考えていたところ、実は国民1人あたりで換算すると、オランダの方が日本より1.5倍多くのエネルギ−を使用しているのだそうです。
 確かに、日本から来て、オランダという国家は、エネルギ−を随分と贅沢に使用しているな、という実感があります。

 最大の原因は、私は暖房システムにあると思います。そして、仕方ないかとも思うのです。
 オランダの家はまず、ほとんど例外なく、セントラルヒ−ティングです。そして、私はすっかり驚いたのですが、そのスイッチを入れる時期(秋)になって、一端オンにすると、再び春の暖かい時期になって、もう暖房は要らないという時期まで、全く暖房を切ることがないのです。たとえ、一月旅行でいなくても、暖房は付いたままです。可笑しかったのは、日本人の知り合いが任期がきれて、日本に帰ったのですが、その家は売りに出された状態でも、ずっと暖房はついたままでした。(もっともスト−ズの消し忘れを、外出時に心配しなくてもいいので、助かりましたが)

 つまり、約半年は、オランダ中のセントラルヒ−ティングが、ずっと付けっぱなしなのです。
 
 オランダの家は、マンションのような集合住宅を除いて、大抵3階建てになっています。そして、すべての階に水道があります。今でも日本の家も便利になっているので、2階にも水道がある家が結構あるでしょうが、でもまだ水道は1階だけという家が多いのではないでしょうか。

 つまり、二つの条件が重なるわけです。オランダは寒い国なので、水道管が破裂しないように、夜中も暖房する必要がある。すべての階に水道があるので、すべての階を暖房する必要がある。

 といっても、暖かい日の昼間などは必要ないのではないか、などとも思うし、大体全階に水道が必要だろうか、というようなことを考えると、とても無駄なことをしているように、日本人としては、今でも感じています。

 ただ、日本とは逆に、こちらは「冷房」はまず個人の家にはないそうです。よほどお金持ちの家に限られるそうです。

 次に、オランダでは大体、家では蛍光灯を使いません。すべて白熱灯です。白熱灯を使用すると、暗いので、同じ明るさを得るために、多分5倍くらいのワット数が必要なのではないかと思います。関係ない話になりますが、こちらにはとてもたくさんの「照明器具店」があります。ライデンの商店街の通りには、5軒以上の店があると思います。日本では考えられないことですね。照明器具だけで、生活が成り立つなんて。
 私が今この文を書いている部屋は、3階の屋根裏みたいなとこですが、(感じとして20畳くらいか)白熱灯が10個あります。机が3個あるので、それぞれに3つずつあるという感じで、10全部つけても、部屋全体は明るくはなりません。

 何故蛍光灯を使用しないのかは、諸説あってよく分かりませんが、少なくともこのために、かなり大きなエネルギ−使用になっていることは、確実です。

 第三に、畑のことです。私は車をもっていて、かなりオランダ中を車で走ったと思いますが、未だに「野菜畑」を見たことがないのです。花畑はかなりあって、今はチュウリ−プの生産時期ですから、とても美しい光景です。
 しかし、野菜の畑は見たことがありません。「ない」とは断言できませんが、少なくとも極めて少ないことは、断言できます。
 では野菜をどこで作っているかというと、「温室」です。先日トマトを生産している温室をテレビで紹介しているのを見たのですが、完全に水栽培で、水路があって、そこに整然とトマトの木が植えてあり、その間にはレ−ルが敷いてあって、そこを小さな車にのって移動しながら、採取していき、それを下の水路にいれていくと、選別工場につながっていて、ベルトコンベア−で選別されていき、それぞれが箱に詰められていく、というようなトマト総合工場みたいなもんです。

 これだと、多分害虫もいないだろうから、農薬もほとんど使用しないのではないでしょうか。一年中計画的な生産も可能でしょう。
 しかし、日本の冬の温室トマトと同じ味で、お世辞にも美味しいとは言えません。日本の旬のトマトのような美味しさとは無縁です。
 そして、エネルギ−の使用量は、はるかに多くなると考えられます。

 ただ総合的にこの方法が勝っているとは、私も思いますが。

 日本が環境に関して「先進国」とされているのは、リサイクル率の高さですが、私は段々と落ちているような気もします。

 もっと大きな問題はまた、しばらくしてから書きます。