392/628 GEC01342 WAKEI オランダ通信34 旧聞
(19) 93/04/24 06:36
オランダ通信34 4月1日のこと 旧聞
今更エ−プリフ−ルなんて、随分と遅い話ですが、最近になって知ったことなので、旧聞に属することですが。
ライデン大学の日本学科図書室に朝日と日経があるのですが、整理する人の勤務が毎日ではないとか、教官がしばらく持っているとかで、中々読めるようにならないので、いつも相当遅れて読んでいます。それが、最近まとめて読んだところ、日本でヨ−ロッパ人が、嘘の新聞をばらまいたという記事が出ていました。日本人はユ−モアがないのだ、ということで、問題提起をしたいということだったそうですが、日本の新聞社もそれに対して、ユ−モアで答えたのだそうで、面白いと思いました。
こちらのエ−プリルフ−ルは、日本とは比較にならないくらい、派手にやるそうです。実は、私は完全にある新聞に騙されました。それに気づかずに、このオランダ通信を書こうと思っていたのですが、一応念のため、もう少し詳しい話を教授に聞いてから、などと思っている内に、嘘であることがわかり、書かずに良かった、と思ったわけです。
どういうことかというと、ライデン大学の情報紙があるのですが、そこに、ライデン大学が私立大学になる方針を固めた、という記事が出たのです。その情報紙は週刊なので、別に4月1日付けということを全く意識しないで読んでいたので、完全に信じてしまいました。それによると、昨年何気なく文部大臣との話合いで出たことを、ライデン大学では検討委員会をもって、正式に決めたというのです。それによると、国家からの支配を離れ、教官は国家公務員ではなくなり、しかし、これまでの権利は全て保証される。学生の納付金は3倍になって、大学の財政は豊かになるので、これをきっかけに他大学との格差を広げ、一流大学としての地位を保とうという決意の現れである、などと書いてあったわけです。
日本学科の実力者の先生に、一応確認しようと思っていたのですが、この実力者はとても忙しい人で、学生が約束をとろうと思っても、1分ということがよくあるのだそうで、しばらくほって置いたところ、ある学生と話をした中で、4月1日の新聞ですよ、ということで、しばし唖然としたのです。
オランダに私立大学がないことが、やはり大きな問題だと思っていたものだから、すっかり騙されてしまったわけです。しかし、考えてみると、ライデン大学はもっとも私立大学にはなりにくい大学です。私立大学に変わるとしたら、むしろロッテルダムの大学などでしょう。あるいはアムステルダムのカトリック系の大学など。
というのは、ライデン大学はまったく「学問のための学問」というような細かい学問領域をたくさん持っている大学なのです。たとえば、古代エジプト、古代インド、古代アッシリア、古代スラブ等、他の大学ではどんどん潰されていく科目が、ライデン大学だけでは認められている、という状況にあり、こういう科目が「私学」で成立するはずがありませんから、そこで、気づくべきだったのですが。
ただ、ここで分かったことは、国立大学でも、流行らなくなった学問領域は廃止してしまうということです。そういう時には当然教授でも「失業」するわけで、日本人学生がいる古代インド哲学(ライデン大学だけに残っている)の他の大学の教授は、失業状態だそうです。
私の大学は私学ですが、古代インド哲学なみの部門があるのですが、失業させるわけにはいかない、ということで残っています。とても難しい問題ですね。
ところで、こちらのエ−プリルフ−ルというのは、すごいそうで、今年は分からなかったのですが、例年テレビのニュ−スや新聞で、かなりの嘘報道をするそうです。大体は縁起のいい話らしいのですが、例えば、数年前「飛行機事故が発生して、死者が出た」なんていうニュ−スを行って、大混乱になったそうです。抗議の電話で。しかし、テレビ局はまったく動揺せず、「何日か知っていますね」という程度だったそうな。
ひとつだけ紹介すると、昨年のコンピュ−タ−雑誌の記事は、「新しいジョイスティックが発明されました」という記事だったそうです。
どういうジョイスティックか分かりますか。
発明されたジョイスティックは、ヘッドホンの形をしており、脳波を敏感に感じ取って、脳が考えると、その通りにコンピュ−タ−が動くというものだそうです。それによって、ゲ−ムの方法が革命的に変化するとか。