臨床教育学コメント2018.6.28

Q 学校に非宗教性を求める親は海外でも多いのか。その地域は。

A オランダのことでしょうが、非宗教的であるために公立学校を選択するのは、ほとんどの場合が、近くに自分の宗教にあう学校が存在しないからだと思います。イスラム教徒だけど、カトリックの学校しかなければ、公立学校に入るということです。もともと、非宗教的であることだけを考慮して、公立学校を選択する例は、そんなに多くないと思います。宗教的であることを否定している人たちは、シュタイナーとか、いろいろな教育理念に基づいた学校がたくさんありますから、そういう観点から選択する人がおおいでしょう。

 

Q なぜ日本では、モンテッソーリ幼稚園はたくさんあるのに、小学校や中学校はないのか。可能になるような制度改革はしていないのか。

A 幼稚園には学習指導要領がないけれども、小学校以上は、学習指導要領にそった教育をしなければならず、モンテッソーリ教育を実施できないからです。

 

Q 課題を家族が協力してやると、子どもの精神状態が安定するというが、家族が正常に機能していない場合は難しいのではないか。

A 難しいと思います。現実的には、そうした家族がフレネ学校に子どもをいれることはないと思います。

 

Q 教具の使用について、もう少し詳しく説明してほしい。

A 教具の使用法が決まっているのではなく、子どもが好きなように、創造的に教具で何かをつくったり、あるいは動作をしたりするので、基本は子どもに任されるということです。子どもが、何か興味をもちそうな物を、親や教師が手作りすることも奨励されています。

 

Q モンテッソーリの教具は、普通の教具とどのように違うのか。また、その目的は。

A 普通の教具は、教科のなかで、あらかじめ使い方が決められていますが、モンテッソーリ教具は、子どもが自由に使うことを想定しています。

 

Q モンテッソーリ教育に電子機器は可能か。

A マリア・モンテッソーリは、もともと医者であり、自然科学の人間なので、そうしたメディアには大きな関心をもっていたので、そうした影響で、電子機器はたくさん利用されています。

 

Q オランダでは、2階建ての校舎が珍しいのは何故か。

A オランダでは、宗教別に学校がつくられてきた歴史があるので、ひとつの土地区分に、公立、カトリック、プロテスタントという3つの小学校が存在していることがよくあります。つまり、日本なら、ひとつの学校にするところを、3つの学校に分割しているわけです。そのために、ひとつひとつの学校は、とても小さく、ほとんどが1学年1学級です。だから、2階建ての校舎が必要ないわけです。

 

Q 異年齢集団で行われる教育は、日本にもあるか。

A 日常的に、異年齢で学級が形成されているのは、極端に人数が少ない過疎地の小学校だけでしょう。日本では、法令状、同一年齢で学級を形成すると規定しているので、不可能だと思います。運動会やさまざまな行事で異年齢集団にする場合はよくあります。

 

Q モンテッソーリ教育の年齢対象は。

A 理論的には、幼稚園から高校までとなっていますが、実際には高校は少ないはずです。シュタイナー学校は、原則高校までになっています。

 

Q フレネ学校で、親は具体的のどのように手助けをしているのか。また、コンフェランスでは、どのくらいの精度の発表が行われるのか。

A 具体的には、さまざまでしょうが、可能な限り、研究などは一緒にすると思います。子どもの年齢がさまざまなので、小さな子どもの場合は、未熟なものでしょうし、年齢があがれば、精密になっていくと思いますが、自分の興味のあることを、時間をかけて調べるので、「聞かせる」内容になっているようです。詳しくは、体験記を読んでください。