臨床教育学コメント 2017.6.8

1 教科書通りにやらないということで、優れているにもかかわらずできない教育法は他にもあるか。

 独自の教育法を編み出したとき、それができないように圧迫された例としては、(戦前は別として)数教協の「水道方式」が有名。

 教師が個人的に教科書を使わずに、独自プリントで授業する例は、とくに高校では多いが、小学校ではやはり難しいのではないかと思われる。プリントを使用した授業が、教科書を使うより子どもたちに評判がよいことは大前提だが、保護者との信頼関係が不可欠となる。

 

2 TOSSで授業内容を事細かに記録するために、すべて録音をしていたのか気になった。指導案を享有して他の教師も利用するのは面白いと思った。

 録音する教師もいると思うが、しっかり教材研究をして、授業案を綿密に作っておけば、記憶で補充する能力をもっている教師が、公表するのだと思う。

 

3 間違える勇気、失敗を恐れないことは、今の子どもたちに大切なことだと思った。なかなか実行できないため、小さいころから、そのような習慣を身につけることが重要となると思う。

 実際の日本の現場では、わからないことを自覚させ、競争から脱落意識をもたせる教育があった、あるいは、あると考えるほうが現実に近い。日本の教育は長く競争主義であったので、わかるものがわかればよいというのが、教育内容を作成する担当者の意識で、3割がわかればよい(小学校)という前提があった。今はそのように公言はしていないが、3割が7割に変化しているかどうかは、かなり疑問である。こうした政策意識を変更することが必要だろう。