臨床教育学コメント 2016.6.2

Q1 遅刻事件は、遅刻の理由にもよるので、寝坊とかはいけないのですね。

Q2 斉藤喜博は、遅刻のできる職場をつくっていたそうだが、子どもたちには何といっていたのか。子どもたちにも理由があれば、許していたのか、気になった。

A 授業で説明しますが、遅刻の個々の事例の評価ではなく、あくまでも遅刻は「職場の雰囲気」の例示であり、職場の雰囲気こそが重要なのです。信頼関係があるから、遅刻をしてきたときに、なにか事情があるのだろうと寛容に扱うし、子どもたちは自分たちできちんと自習ができる、そういう雰囲気が作られているから、素晴らしい実践ができるという意味であり、遅刻が許されているという意味ではないのです。

 

Q 跳び箱で、斉藤先生は跳び箱練習をたくさんさせるので、普通より飛べる子どもが多かったのではないか。

A そういうことではないと考えています。もちろん、跳び箱を多くやっていたことも事実でしょうが、やはり限られた時間内で飛ばせることができる、あるいは、時間をかけた場合でも、他よりははるかに難しい課題を実現できるという意味で、「指導」の仕方によって、まったく違ってくることを認識することが大切だと思います。

 

Q 詩の解釈の授業で、答えをきめないのが大切だといっていたが、作者による解説というようなものを教えず、みなで考えを発表しあって終わりなのか。

A答を決めないのではなく、そもそも答のない問いかけをするということです。詩に限らず、国語に関しては、ほとんどの場合正解答存在しないものです。通常の試験では、正解答を作っていますが、あれもあくまで問題作成者の解釈であって、絶対に正しいとは限りません。たとえば、「春」の授業で、どうして「おかん」は小さいのだろうというとき、いろいろな解釈がありうるわけで、どれかが正しいとはいえません。そういうときに、どれかに決める必要はなく、そういう解釈もあるということでいいのではないでしょうか。

 

Q 宿直に、残業手当などはあったのか。

A 残業手当は、教師についたことはないと思います。ただ宿直については、宿直手当てがつきました。