国際教育論 2014.5.17分コメント
1 スウェーデン、ノルウェー、デンマークの間には国境がないということだが。
A 国境はあります。言葉も通貨も、社会システムも法律も違うのですから、当然異なる国家であり、その境はあります。ないのは「国境検問」です。自由に出入りできるということです。

2 デンマークの幸福度が高いのは、家庭が裕福だからか。だから、風力発電ができるのか。また、風力発電は大規模発電をしないのか。
A デンマークの幸福度が高い理由は、いろいろと議論されていますが、定説はないと思います。もちろん、福祉政策が行き届いているために、安心して暮らせるなどの理由は共通だと思いますが、ぜひ自分でも調べてみてください。平等化されているので、特別の金持ちも少ないかわりに、貧乏な人も少ないと思います。そういう意味で風車を設置できるのも、裕福であるからといえるかも知れませんが、日本のソーラーシステムと同じものなので、特別の金持ちでないとできないようなものではないはずです。
 個人の家庭での風力発電が普及していますが、大規模なものがないわけではありません。

3 高い税金に不満はないのでしょうか。また、ホームレスはいないのでしょうか。
A 極めて収入の多い人に不満はあると思いますし、そのために国籍を外国に移す人もいます。しかし、そういう人はそもそもごくわずかしかいないわけで、多くの人は、負担に見合う福祉が実行されているので、日本人が考えるほどの不満はないと思います。日本では、政治が透明ではなく、税金が一部の人達によって不当に使われていると感じている人が多いので、その点が不満の源泉になっているわけですが、透明度の高い北欧では、そうした不満は、皆無ではないでしょうが、小さいと思います。
 ホームレスは、日本的なあり方では存在しないと思います。死んでしまいますから。ただ、貧しくて住む家もないというような人はいるでしょう。それは社会的な対策が行なわれていると思います。また、近年の保守化によって、増大しているともいわれています。
 スウェーデンで働いている日本人のブログによると、ホームレスは34000人で、施設に収容されている人がほとんどだが、280人が外や公的な施設(?)で生活しているということです。外での生活者はキャンピングカーということなので、さすがに日本のように、公園の一角でというような人達は、少なくとも冬にはいないと思います。
http://blog.goo.ne.jp/pedagogiskamagasinet/e/b70b5ae4d0429fa84b22241120224e66

4 戦前デンマークを参考にしていたというが、今は関心がないのか。税金を多く納めると利子がつくということだが、少なかった場合はどうなるのか。
 今北欧は、福祉政策で大きな注目を浴びていると思います。戦前のデンマークへの関心は、今とは違うものがあったということです。
 税金を前納して少なかった場合には、調べてみましたが、正確なところがわかりませんでした。前納制度が義務というわけではないはずなので、不足分を補充するということだと思います。
 なお前納制度の特典というのは、日本でももちろんあります。所得税については前納制度はありませんが、固定資産税などは、分割支払いが通常ですが、最初に全額一括支払いすると、割引があります。これも、利子がつくのと、効果としては同じです。

5 デンマークは世界一学習が好きだというのに、フィンランドがPISA一位というのは違和感を感じた。
A この点については、次の授業で扱います。