国際教育論コメント 2016.5.16授業

Q アメリカの大学は、学生の自主性を育む素晴らしい場だと思うが、アメリカの大学と日本の大学を比べたときに、日本の大学はどのようなところが、アメリカの大学と比べて勝っているのか。

A 日本の大学は、文部科学省の厳正な認可を経て設立されているので、大学の名に値しない粗末な教育をしているとか、設備がまったく整っていないなどの、基本的な教育条件が欠けている大学は存在しないということが優れているといえるでしょう。

 

Q チャーター・スクールは素晴らしいと思ったが、日本では学校を設立することは、お金を準備することが大変だということだが、今ある公立学校を変えることはできないのか。

A 教師や国民の努力次第ではないでしょうか。

 

Q 日本のフリースクールは、チャーター・スクールのようなものか。

A チャーター・スクールは、教育委員会の審査を経て設立され、公費で運営されるので、日本のフリースクールとは全く違います。日本のフリースクールは、塾の延長のようなもので、法的な規定をもった学校ではありません。不登校の子どもが通ったときに、出席扱いとなるフリースクールもありますが、法律によって整備されているとはいいがたい状況です。

 

Q 日本の大学で発言をしろと言われても難しいと思うが、アメリカでは、高校以下でも生徒が参加する形の銃を行っているのか。

A アメリカでは、小学校から発言が大切にされる教室風土があると言われています。

 

Q アメリカが事前に授業の範囲を掲示し、予習方式授業にすることの効果や狙いは?日本でアメリカのような授業をやっているところはあるのか。

A 予習が学習効果を高める最良の学習方法だからでしょう。日本でテキストを学生の人数分用意して、予習を義務化する方式をとっている大学は、存在しないと思います。

 

Q 日本の大学とアメリカの大学が一番違うところはどこか。

A これまでの講義を参考に自分で考えてください。

 

Q アメリカの高校生の大学進学率はどのくらいか。

A 進学率の計算というのは、実はとても難しい要素があり、日本のように、18歳あるいは浪人してもほとんどが19歳くらいまでに入学する国は、先進国にはありまなく、社会人入学も多いので、数値を同列で比較するのは、あまり意味がありません。

 ただ、ひとつの数としては、アメリカは74%、日本は51%というのがあります。欧米では、社会人入学も含めて、大学に進学したことがあるという点と、高等専門学校も大学としてカウントしているのが普通です。

 

Q ホームスクールを利用している子どもたちの、卒業資格、卒業認定はどのようになっているのか。日本で事象ホームスクーラーという人の小中の卒業認定はどうなっているのか。

A 毎年教育委員会に報告をするので、義務教育年齢までその報告をきちんとすれば、義務教育は修了したという認定を受けられるはずです。日本には、ホームスクーラーはいないので、(いるのはあくまでも自称)認定の仕組みはありません。実際に中学校レベルでの教育を受けていない人が、正規に認定してほしいという場合、中学卒業の認定試験が、文部科学省によって実施されています。高校の場合には、大検がそれに相当します。

 

Q 教師の再教育をしなければならないというのは、採用がしっかりしていないからではないか。どのような採用試験が行われているのか。

A 採用は教育委員会が行うと思われますが、欧米では、基本的に学力試験のようなものが行われることはほとんどありません。大学でしっかり卒業できれば、学力はあるはずだというように考えられています。したがって、重要なのは面接、あるいは実技でしょう。採用試験では、100%資質を見ることはできないし、また、教師になってからの成長が悪いこともあるでしょう。日本でも新人の教師の学級崩壊現象が増えているので、平均的に日本の教師は優秀であるといっても、問題は大きくなっているといえます。

 

Q 日本にハーバード大学のような充実した図書館をもっている大学はあるのか。

A 研究に役立つという意味での充実した図書館をもつ大学は、いくつかあると思いますが、アメリカ型の教育に利用できるような図書館(受講生分のテキストを用意している)は存在しないと思います。

 

Q アメリカの大学は、単位をとるのが難しいのにもかかわらず、比較的簡単に単位をとれる日本と比べて、指導力不足の教師が多いのが疑問に思った。

A 大学での単位をとる困難さよりは、教師になりたい人のレベルの差なのだと思いますが、日米の差は縮まっていると考えざるをえない現実です。

 

Q 教師の品質保証はいい制度だと思うが、日本ではこういう制度はとれないのか。

A 免許更新制度はその第一歩かも知れません。日本では、研修センターに送り込んで再教育をしています。

 

Q 教師の再教育制度では、授業料はどうなっているのか。また、その間は有給なのか、無給なのか。復帰後の支援や評価はどうなっているのか。

A そこは正確にはわかりません。大学と教育委員会、あるいは雇用している学校との関係が、それぞれ誓うと思われるので、いろいろあるのではないでしょうか。