国際教育論 2016.4.11

1 外国人に、日本教育の特徴は、と質問されたときの回答

道徳の授業

学校教育だけではなく、社会教育や自由な教育

規則性を重視・みなが同じ行動をするように教育する

ほぼ全ての人が同じような授業を受ける

主要五教科重視

文武両道の教育

道徳教育

社会で必要な知識・社会人としてのルールや振る舞いを重視・入試に向けた知識を重視

義務的な要素が強い平等な教育

システム的で受動的

受験のための勉強

数字で表せる学力だけではなく、人間性・社会性の育成

集団行動や助け合い、協調を銃した教育

基礎的知識を身につけることを重視・授業が多く選択できる授業が。少ない。

中学まで義務教育なので、中学3年までは必ず進級できる。

教師が話し、生徒の発言は少ない。

作業的感覚の強い学習が多い。

 

2 以上の点についての若干のコメント

(1)留年がないというのは、法的にはある。

(2)日本の教育の特徴はなんだろうか。いろいろな意見が出た。とても興味深い意見もある。

道徳教育が特徴であると書いた人が結構いるこれは確かにその通りだ。ほとんどの国では道徳教育ではなく、宗教教育がが当たるからである。宗教教育と道徳教育では何が違うだろうか。第1に宗教教育の場合、どんな国でも選択の自由がある。イスラム教の国家ですが、キリスト教に対してイスラム教強制することはない。つまり、それぞれ異なる価値観に対してはそれを尊重しているのである。しかし道徳教育の場合には、すべての国民に対して、同じ事を教える。つまり異なった価値観を持った人々に対してその相違を尊重しないわけである。これが道徳教育と宗教教育との大きな相違であろう。社会が本当に同一の価値観であるならば問題はないであろうが、多様な価値観を持っている人々がいる場合には大いに問題になる。道徳教育を考える場合には常に価値観の多様性を念頭に置かなければならない。

 

(3)国語算数理科社会等を重視では欧米の方がはっきりしているなぜならば、例えば小学校の教師は担当するのは、お算数理科社会のみだからである。に対して日本の教師はすべての教科を担当する。欧米では音楽や美術は別の先生の担当である。もちろん体育もそうである。それぞれの教科立場から見れば、どちらが尊重してるのは、あまり明瞭ではない。日本では担任の先生が担当してるからそれを重視して、と考えられている。しかし高度な指導という点からすれば別の人が担当した方が良い.

これは学校体育或いは社会体育などの問題トも関連している。部活も同様である。従って重視というのはどの立場からの重視なのかが問われなければならない。

 

(4)日本は集団主義なのか。

日本の教育は一般的に集団主義であると言われている。集団行動を前提とした行事も多い。しかし本当に日本人は集団的だろうか。オランダに行った時にすごく疑問に思えた。地域やクラスでの協力或いは助け合いなどはオランダ人はとても積極的である。しかし日本でいじめられた子がいたとき、どれだけ助けるだろうか。傍観者という言葉があるくらいである。

 

Q エラスムス計画・ソクラテス計画がわからなかった。

A エラスムス計画は、EUが成立して、EU内部の一体感を強めるために行われた政策のひとつである。1993年の成立当時のEU各国は、ほとんど異なる公用語を使用しており、相互のコミュニケーションをどのようにとるかが、大きな問題だった。言語の問題としては、EU公用語を設定せず、すべての言語を平等にするという原則が立てられたが、それではスムーズなコミュニケーションが困難なので、教育の面から、大学間交流を実施して、相互の言葉を学ぶようにした。そして、一緒に学ぶことによって、精神的一体感を高めることも期待したと思われる。

 更に、大学間の競争を促すことによって、研究・教育の活性化を図ったのだろう。

 エラスムス計画は、具体的には、大学生は、EU内部の他国の大学に、半年間留学できるもので、単位はそのまま認定される。奨学金等も考慮される。

 ソクラテス計画は、EU自体が拡大したことにともなって、留学計画が拡大されたもの。