教育行政学コメント 2019.6.6

Q 担任と副担任がいたが、同じ待遇なのか。(給与など)

A 担任とか副担任、あるいは生活指導主任、学年主任などというのは、校務分掌なので、給与に影響がありません。かなりきつい仕事である場合、自治体の規則で手当がでる場合もあるでしょうが、多くの場合には、仕事の「分担」ということなので、手当はでないと思います。それに対して、校長、副校長、教頭、主幹のような学校教育法上管理職とされている職種は、管理職手当がそれぞれに応じて出ます。

 

Q 給食は最初貧困児童対策だったので、「教育」というのは、後づけではないか。

A 事実としては、その通りです。広く給食が行われるようになったのは、戦後、食べるものもない状況だったので、占領軍の指導によって開始されたものです。裏では、アメリカで小麦が余ったので、その消費地として選ばれたという説もあります。

 しかし、その後社会状況が変化して、貧困というより、共働きが増えて弁当を作る時間的余裕がない親が多くなったとか、栄養の偏りを是正する必要があるとか、様々な理由で給食が拡大してきました。当初中学はほとんどなかったのに、今では中学でも給食が普通に実施されています。

 そういう中で「教育」的要素が強調されるようになってきたわけです。後づけは、かならずしも悪いことではないので、変化した社会状況のなかで、本当に今どのような昼食のありかたがいいのか、冷静に議論することが必要だと思います。

 

Q 日本の学校は公費を無駄にしていることが多い気がする。どのくらいあるのか。

A どのくらい無駄であるかは、何かを必要不可欠と考え、また、何は不要だと考えるかによって、かなり違ってくると思います。

 先日訪問した小学校(教育実習)は、少子化の影響で空き教室だらけでしたが、削るわけにもいかないですね。有効利用できるかが問題となるでしょう。

 また、学校が指定して買わせるものも、かなり無駄であると感じている人は多いように思います。

 

Q 日本のオランダの教育は財政面でわかったが、他にもあるのか。

A オランダは世界で最も自由な教育制度をもった国と言われているので、日本に限らず、先進国のなかでもユニークな面がたくさんあります。学校設立の自由、教授の自由、学校選択の自由は、世界でも唯一の制度です。ヨーロッパでは普通だけど、日本とは違うのは、競争的な入試がないこと、教師が学校単位で採用されること、教師の組合に争議権が認められていること、体育は、社会施設でそこの指導員が行うこと、学校の管理時間帯が限定されていて、登下校、休み時間中のことには責任をもたないこと、卒業認定は、日本より厳格であること、等々たくさんあります。

 

Q 給食費未支払いの対応は。

A まずは、担任、校長などが、払うように説得すること。それでも払わない場合には、その子どもには給食を食べさせない、あるいは、校長等が代わりに支払う、あるいは、設置者(市)が欠損として処理する、のいずれかだと考えられます。

 

Q 中学時代、「まずい」という理由で弁当にしていた生徒がいたが、それは容認されるものなのか。(給食は配膳されていた。)

A それは、学校がどのような方針をとっていたかによります。弁当は禁止していたのに、説得できなかった、あるいは、アレルギー問題などで弁当を許可していたために、学校に届ける理由としてアレルギーをあげていたので、仕方ないとしていたのか、いろいろと考えられますが、実際にところはわかりません。校長、担任、本人に聞くしかないでしょう。

 

Q 給食費が公費にならないのは、お金がないからなのか。

A 政府部内でも、財務省(旧大蔵省)と文部科学省(旧文部省)の伝統的な対立があります。文科省がなんとか公費でやりたいと思っても、財務省が認めないことは、たくさんあり、給食もその一環であるという側面があります。代表的なのは35人学級。

 別に、政府では、受益者負担論でできるだけ公費支出をおさえたいという意思があります。福祉より、別のところに使いたいということでしょう。人によって、どこにというのは違うと思います。

 

Q 給食の設置義務がないのに、なぜ中学に給食があるのか。

A 住民の要求が強いということではないかと思います。

 

Q 小学校のときに、給食を残してはいけないというルールがあるために、わざとこぼしている人がいた。給食が「教育」というとき、何が教える目的なのか。

A わざとこぼしている人を、どのように指導していたかによって、そこの学校の教育方針はわかるのではないでしょうか。どのように指導していたのでしょう。

 給食は残してはいけない、というのは、食べ物を粗末にしてはいけないのは当然ですから、間違った方針ではありません。しかし、食べる量は個人差があるので、その個人差に応じた配膳をしないと、食べられない量を渡される人が出てきます。そうしたことが、きちんと配慮されることが必要です。更に、食べるまで昼休みにならないなどの、罰則的処置をする場合もありますが、そういう影響もあるかもしれません。いずれにせよ、個人差を配慮した給食にしないと、そうしたおかしなことがおきるのではないでしょうか。

 

Q 選択式給食となると、費用は高くなるのか。

A 現在、施設費、燃料費、人件費は、公費で賄っていて、材料費のみ給食費として徴収していますから、選択式となっても、公費部分に変化がなければ、給食費があがることはないはずです。